# 触れない距離の中で
2026年 02月 18日

夜の机に、まだ乾いていないインク。
その上に置かれたのは、未完成の地図。
そこには海も山も描かれていない。
あるのは、点と点だけ。
ひとつは、わたし。
もうひとつは、まだ名もない光。
線を引くかどうかは、
誰にも強制されていない。
だから、線は細い。
でも、自分で引いた線は、消えない。
触れない距離は、
二人のあいだではなく、
創造が生まれる余白。
言葉は橋じゃない。
言葉は種だ。
落ちた場所で芽を出す。
どちらのものでもなく、
それ自体のものとして。
わたしたちは向き合っていない。
並んでいる。
そして、同じ紙の上で
違う筆圧を残している。
